石窯のカタチ(2)形状評価

石窯の形状による違いについて

石窯の基本性能は形状によって決まります。ですから、石窯を設置する前に、どのような形状の石窯を選ぶか、よく研究して選択することが非常に重要です。

石窯の火室形状に求められるのは、上昇する熱気が火室の中をなめるように、なるべく長く滞留する構造です。理想型はドーム型ですが、制作するのが難しいために一般の方が制作する場合、箱型になることが多いです。開口部がコの字のように大きく開いている石窯は熱が留まれず早く放出されてしまうために熱効率が高くなく、ピッツァを焼く最適温度まで上昇させることが難しい可能性が高いです。炎が天井に滞留して炉内に熱が蓄積されやすい形状であることが最も重要です。

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石窯の中で起こっていること、それは上昇気流!

炎は常に上昇気流となって、空間の上方向に、強い上昇気流となって移動します。このことを十分に想像して、石窯の内部形状をよく観察して高温空気の挙動を考えることが必要です。

ドーム型

石窯はドーム型が最高とされています。理想的な形は・・・サイドから見た形状が軽く尻上がり(窯口は低くなっている)、上から見ると開口部が少し狭くなった形状が目指すべき理想のシェイプとされます。

ちょうど、スキーのハイスピード競技で多用される『クラウチングフォーム』とイメージが重なるため、薪クラブでは、「クラウチング型石窯」®という表現をしています。

ポンペイ遺跡で使われていた、ローマ人愛用の石窯はドーム型でした。炎の挙動に素直な形状。つまり、熱を利用するのに最適な形です。

本格的な蓄熱性を得ようとすると、炉体の周囲に蓄熱材を配置することになりますが、この重量に容易に耐える形状はドーム型となります。蓄熱効率の観点からも、体積・表面積比率が小さいドーム型は理想的です。そして輻射熱の焦点が火床に集中するということも重要です。

したがって、多くの理由から石窯の理想形はドーム型と言えます。ただし、レンガ等のブロックで製作するのは、熟練の腕前が必要になります。

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正円よりも楕円が優れている

ドーム型石窯の多くは、平面図(上から見た図)では正円形で、立面図(横から見た図)でも正円の半分の形状になっています。設計のしやすかから、ついついこのような単純な正円を利用して設計をしてしまいます。石窯のサイズが大きくなってくると、正円(の半分)の断面では天井があまりにも高すぎになります。ドーム型が最高、とされていますが、天井の高いドーム型よりは、天井を低く抑えたボックス型(四角)の石窯の方が性能が高いと考えられます。ドーム型の場合、天井が必要以上に高いのはいけません。最低限の高さに抑えます。

内部壁面の立ち上がり部分の角度について:ドームを低く抑えるためには、内壁の立ち上がり部分を取りすぎないことがポイントです。とはいっても、小型石窯の場合は内壁の垂直な立ち上がり面をある程度確保しないと、鍋などを入れることができなくなりますので、多少高さのあるドーム状になってしまうことは仕方のないことです。

つまりは、小型ドーム石窯と、大型ドーム石窯では、同じシェイプの相似形である必要はない、ということになります。

また、立面図(横からみた図)では、背面から開口部に向かって、なだらかに下がっているラインを描きます。

この特徴的な形状をよく覚えてください。この形状の窯の中では、いったん上昇して天井に滞留した炎が、出口に向かって天井をゆっくり下りながら進んでいきます。ただし、小型石窯の場合には、このような形状にすると、調理スペースが狭くなってしまうために、正円に近い形状が採用されます。これも仕方のないことです。

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ドーム型以外

本来ドーム型を作りたいところですが、レンガで製作する場合には、レンガは四角形であるからドーム型を作ることは技術的に高度なものになります。左官作業の手抜きをするためには、カマボコ型ボックスタイプに簡略化されがちです。製作するための費用や時間が限られている場合は、致し方の無いことです。そこで大事なことは、たとえカマボコ型やボックス型であっても、ドーム型で重要であったポイントを疑似的にでも似せるということです。

煙突について(基本的に煙突は必要でない)

前述(正しい開口部高さについての原則)の開口部‐炉内高さの比率で設計された石窯は、炉内に薪を詰め過ぎないかぎり、煙突がなくてもしっかりと働きます。基本的に、石窯の熱効率のために、煙突は必要ありません。煙突の無い石窯の例はたくさんあります。煙突がなければ「石窯らしくない」という考えにとらわれる必要はありません。

では、どのような場合に煙突が必要になるのでしょうか?

ピザ窯のように調理人がずっと窯の前で作業をしている場合には、顔の高さにある開口部から熱い空気が出てくるのは、快適な状態とはいえません。手元や顔をやけどする可能性だってあります。この場合に、開口部の周囲に排熱用の煙突をつければ、窯の正面から熱気を排出させないことができます。窯を屋内に設置するときには、このことはさらに重要で、煙や熱気を残らず屋外に出すことができます。

窯の天井付近の熱を観察すると、炉内奥で燃えている炎から、扉近くの排出口へ下っていきます。これで、均等な熱分配と保温が効果的になります。

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理想的な石窯炉体の形状

煙突の位置の原則

煙突位置をピザ釜のように窯外部にするか、あるいは窯内部にするかの長所短所は議論するとキリがありません。例えば粘土で製作する石窯では、材質が壊れやすいため外部煙道のために複雑な形状で作るのは難しく、結果として煙突の排気ポイントは概して窯内部になります。

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窯外部の低い位置に煙突を設置した理想的な排気

各種石窯の評価をしましょう

(1)ドーム型の石窯

石窯の理想形はドーム型と言えます。ただし、レンガ等のブロックで製作するのは、熟練の腕前が必要になります。

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ドーム型の石窯キット

ドーム型の石窯作りで最も難しい部分をキットにすることで簡単に完成することができます。上手く作れるかどうか不安な方はドーム型キットがおすすめです。

プチドームシリーズ

プチドームシリーズ

パーツ点数が少なく、男性3名ほどで驚くほど簡単に完成。小型石窯なので熱源は主に炭火を使います。このため煙が少なく住宅地でも気兼ねなく使えます。

デカドームシリーズ

デカドームシリーズ

数点のパーツを組み合わせて本格サイズのドームを作ることができます。小規模なカフェやピッツェリアにも対応できるサイズで、使いやすい石窯です。

ル・パニョルシリーズ

ル・パニョルシリーズ

フランス製のドーム型キット。石窯のお手本のような理想構造です。このキットを埋め込んだ石窯はプロ用でも多くございます。サイズ展開があることも特徴。


各シリーズの詳細は「薪クラブ本店 石窯キット」をご参考ください。

(2)ボックス型(一段式)

ボックス型はブロック等で製作しやすい形です。簡単に作ることができるので便利ですが、「コ」文字型となりがちです…開口部が熱が逃げやすい形状です。ムダの多い石窯です。

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煙突をつける位置によっては更に熱が逃げてしまいます。煙突の位置が高い位置につけてある石窯は、焼却炉のように、大切な熱気がどんどん排気されてしまいます。ムダが最も多い石窯です。

 

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パッと見た目は単純なボックス型と同じように見えますが、開口部をグッと下げて、火室の天井を炎が回るようにしてあれば、ずっと熱効率が良くなります。

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煙突あるいは排気孔が付いているタイプの場合は、火室の天井よりも低い部分の熱気を排気するようになっていなければなりません。炎が天井に滞留した後に排気される構造です。手元が熱気にさらされなくなるので、熱効率を妨げないで操作性が良くなります。

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ボックス1段式の石窯キット

窯面積があまり広くない場合、屋根形状による能力差は小さいと考えられます。ボックス型のメリットは簡単に製作できることです。

プチドームシリーズ

2重壁1段式キット

レンガ2重構造の分厚い壁厚を持たせた石窯。冷めにくく、薪が節約できます。煙突構造も有り、理想構造に近いボックス石窯です。

デカドームシリーズ

1段式キット

点熱の滞留を重視した構造のシンプルな1段窯。家庭用で12インチピザを焼くための最低限のサイズです。積み上げるだけで完成できます。

ル・パニョルシリーズ

ミニ石窯

60cm四方のスペースに設置できるコンパクトさが売りの石窯。15分で完成できます。石窯体験用に。これをベースにしてさらに発展させたくなるキットです。

(3)ボックス型(二段式)

通常の一段式を改良したもので、下段で薪を燃やして、上段で連続式で調理することを狙ったものです。下段から吸気されて上段から排気されるために、排気が強い傾向があります。上段の窯口が工夫されていない形状の窯だと炎が炉内に滞留しにくいです。基本的には熱効率の悪い形状の石窯です。

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設計上、排気が強い2段式石窯でも、炎が滞留しやすいように、上部の形状に工夫がしてあるものは、充分な機能を発揮します。

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煙突あるいは排気口が付いているタイプの場合は、前述の「ボックス型(1段式)」の場合と同様に、火室の天井よりも低い部分で排気するようになっていなければなりません。適正な位置(開口部近くの低い位置)に排気機能を設けた石窯は熱効率を妨げずに熱気の危険性が低い、良い石窯となります。

ボックス2段式の石窯キット

1段式ではスペースが狭いことがネックになるため、同じ床面積で上下2層式にすることで焚きスペースと調理スペースをしっかり確保することができます。

プチドームシリーズ

2段式キット

上下2層式石窯のスタンダード。下段で薪を焚き、上段で調理します。追い焚きが簡単にできるのは2層式の大きな特徴です。積み上げるだけで完成。

デカドームシリーズ

改良2段式キット ボラフォルノ

2段式キットのウィークポイントを全て改良した2016年型の2段石窯。耐久性、使いやすさ、安全性の全てをワンランク上げたキットです。現在の耐火レンガ積み上げ式石窯の決定版。

ル・パニョルシリーズ

大谷石2段石窯 ジョコフォルノ

耐火レンガ製の2段石窯と基本構造は同じですが、素材に大谷石を使った風合いの良い石窯です。脚からキットになっており、置き台設置の心配もありません。積み上げるだけで完成できます。